知っているとダメになる動画講座


番外編(1)
簡単カッコいいアニメを作るコツ

(C)乃美康治 (C)曽根宏造 (C)乃美康治

ここでは、個人製作アニメを作るとき覚えていると便利な小ネタを紹介するよ!



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アニメ上達のコツ
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【これさえ守れば、絶対アニメや漫画が上達するというコツの紹介だよ】

これは冗談なんかじゃなく、とっても大切なことなんだ。

真剣に聞いてね。



 
アニメや漫画を描く参考資料として、すごく役に立ちそうな作品やサイトを見つけたとき

そのサイトを絶対
「お気に入り」に登録しないようにしよう!



ダウンロードやページを保存なんて
もってのほか!!
 



「今は知りたい情報だけ読み、後で時間があるとき全体をゆっくり読もう」とか
「今はなんとなくダルいから、保存しておいて後でじっくり見よう」とか
よく考えがちだけど・・・

『後』でじっくりの、『後』は永久にないと考えよう!



お気に入りに登録したり、自分のPCに保存してしまうと
それだけで、もう
マスターした気になってしまい
実際に必要となったときは、すでに忘れてしまっていて
保存した場所もわからなくなり
結局なんの役にも立たないのがオチだと考えよう!





ネットには有益な情報がたくさんあるよね。(ゴミも多いけど)

もしどこかで役に立ちそうなサイトを見つけたら

「後で読もう」とか考えず、「いま読む」ようにしよう!!





特に、YouTubeやニコニコ動画で「○○講座」とか「神作画」なんて呼ばれてるムービーとか

あんなのいくら保存しても、絵は上手くならない!


はっきり言って、ハードディスクの容量の無駄遣いなだけ。
(また見たいときは、PC内を探すより、ネットで検索した方が絶対早いし
有名なムービーなら、より高画質版になってたりするよ)





これは、資料となる本を見つけたときも同じ。

絶対コピーとかしてはダメ

それで安心してしまい、そのうちどこに行ったかわからなくなるのがオチ。





有益な情報を見つけたら、あとでじっくりなんて考えず
その場ですぐに頭と腕に叩き込もう!



これがアニメや漫画が上達する、最大のコツだよ!







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見た人が面白いって言ってくれるアニメを作るコツ
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【個人製作アニメで、失敗しやすい事例の紹介だよ】

アニメだけでなく実写の映画なんかでもよく陥る、プロでもたまにやっちゃうようなワナがあるんだ。

これを防ぐことで、見た人が「おもしろい!」って言ってくれるアニメにすることが出来るよ!



作品を作っていると、作りやすいシーン作りにくいシーンってのがどうしても出来ちゃうよね。

そうなると、どうしても製作者の人情(?)として・・・

苦労したシーンを長く写そうとするんだ。



すごく頑張って作ったシーンだから、しっかりみんなに見せたいって気持ちは
私も痛いほどよくわかるんだけど・・・orz


そのシーンが、たまたまストーリー上すごく重要な箇所とかならいいけど
そんなシーンって、作品中でもそんなに無いわけで・・・

ほとんどはどーでもいいようなシーンだったりするんだよね。



読むテンポを観客が調整してくれるマンガや小説と違い、アニメや映画等の動画作品では
作品のテンポは作者が調整しないといけない。

個人製作アニメの場合、正直、このテンポがグダグダなものが多いんだよね。

その最大の原因が、この製作者の「ボクが頑張ったところをしっかり見て」って感情。



たとえどれほど苦労して作ったシーンでも、ムダなカットは極力削除した方がいいんだ。

確かに、「このシーン描くのにポーズが決まらず、まる一日悩んだよなぁ」とか
「この背景、苦労したよな、何回描き直したのかなぁ」とか
「スランプで苦しんでたとき、このシーンが会心の出来で、スランプ脱出できたんだよな」とか
思い入れのあるシーンって多いよね。

でも、見てる観客にとっては、そんなことどーでもいいことなんだ。



『俺はこんなに頑張って作ったんだ』という
作者の『個人的思い出記録アニメ』にだけはならないように注意しようね。

それは他人にとって、ただただ退屈なだけなんだから。



全体を通して見て、無駄と感じるものはもちろん、テンポが悪くなると感じたシーンは
たとえどんなに思い入れがあろうとカットしよう!



あくまで自分じゃなく、見る人に楽しんでもらうアニメを目指す
という気持ちを忘れないようにしようね。



それさえ忘れなければ、絶対みんなが面白いって言ってくれる作品が出来るよ!








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良い動きをさせるコツ(1)
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【アニメとイラストの描き方の違いの紹介だよ】

イラスト中心で描いてきた人がアニメを作ったとき、よく陥るワナがあるんだ。


いきなり結論から言うよ。


 
アニメは、 カッコいいポーズを決めたイラストを連続で並べたとしても

自然な動きにも、カッコいい動きにも見えない!!
 



イラストばかりを描いてきた人って、どうしても動画の一枚一枚を
イラストとして描こうとする傾向があるんだ。

でも、アニメはイラストとは根本的に違う方法論が必要なんだ。



激しい動きの一番最後にポーズを決める、『止め絵』での原画なら
イラスト的なカッコよさを追及するのは十分アリなんだけど、
単なる動画の一枚一枚でそれをやっちゃうと
頑張れば頑張るほど変になって、すごく異様で不自然な動きになっちゃうんだ。



以前、某アニメを見ていたら、黒服の男がすごく良い動きで大活躍するシーンがあり
思わず、コマ送りで見てみたら・・・

なんと、動画の一コマだけを見ると、まるで
黒アメーバの中に頭や手足の先が浮かんでいるような状態になってたんだ。

それだけを見ると、もう体がどうなってるのかさえ分からないような状態で
不自然さの塊みたいな絵だった。

ところがそれが実際に動画として見ると、実に生き生きとした走りになっていたんだ。



イラストと違い、アニメの動画は動きの一瞬を切り取ったもので
そもそも0.1秒くらいしか映らないものなんだってことを
『理解』しよう!



まぁ、ほとんどの人は、「そんなこと分かってるよ!」とか言うと思うけど
言葉として分かっていても、本当の意味で『理解』してる人は少ないんだよね。



良い動きをさせたいなら、そのコマだけ見るのはやめよう。


木を見るんじゃなく、森を見よう!


そうしてたら、きっと良い動きをさせることが出来るよ!



アニメは、動いてこそ魅力が出るものなんだからね。







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良い動きをさせるコツ(2)
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【アニメと実写の動きの違いを理解しよう】

たまにアニメ初心者の人で、異常なまでのリアル至上主義の人がいて

「アニメの動きはリアルで物理的に正しい動きをするものが良い動きであり、
物理法則に反する動きはゴマカシで、悪い動きだ!」


とか言ってることがあるんだけど・・・

みんなはどう思う?



この講座の第二章で、一般的なテレビアニメの動きでの走りを解説したときのサンプルを覚えてるかな。


(C)乃美康治



そこで走りは、「縮む」「伸ばす」「戻る」の3枚の繰り返しで描くのが一般的だと解説したけど
この絵を見て分かるように、どのコマでも必ずどちらかの足が地面に付いてるよね。


でもこれって、リアルな走りって意味では変なんだ。


だって『走る』って、「両足が同時に地面から離れる瞬間がある移動方法」のことなんだからね。


それでたまに、「地面から両足が離れている絵が無いのは不自然だ!」とか言って
空中の絵を入れようとする人がいるんだよね。


第二章で解説したけど、この3枚の絵は走りの動きを凝縮したもので、すべて意味があるんだ。


どうしてもこの中に空中の絵を入れたいなら、この3枚のどれかを削るか、4枚にするしかない。


でも、やってみたら分かるけど、それでは力が抜けてしまい躍動感のある走りにならないばかりか
リズムが崩れて、不自然さしか感じない動きになっちゃうんだ。

(まぁ、それを逆に利用(?)して、幼児の走りとか、重装備の兵士の走りとかで
あえて空中の絵を入れて、それらしく見せる場合もあるんだけどね。)





昔、ある格闘ゲームを作っているメーカーが、良い動きをさせたいと
空手や拳法の達人の動きを完璧に取り込んだ格ゲーを作ったことがあるのを知ってるかな。

スタッフは、リアルな迫力ある動きになると期待したんだけど・・・

なぜか異様な不自然さを感じる動きにしかならない上、
致命的なまでに地味もっさりした、爽快感のまるでないゲームになってしまったんだ。


また、某超有名ステルス(戦術諜報アクション)ゲームで、煙草の煙の動きや
スカートなんかの服の揺れを物理演算を使ってリアルに計算して動かしたら
これもまた変になってしまい、結局全部、手でアニメーションを付け直したんだって。


これは、スターウォーズのCGを担当した人も、同じようなことを言ってるんだよ。
布の動きとか物理演算でやろうと試行錯誤したけど、どうしてもカッコ悪くなってしまうんで、
結局物理演算で生成されたモーションとデザイナが付けたモーションをブレンドして
仕上げたって、インタビューで言ってた。





アニメは、実写の動きをトレースしても良い動きにはならないんだ!


アニメは、現実のモノマネではダメなんだ!



このことは、すごく大事なことだから、しっかり理解してね!!






ちなみに・・・

こういうリアル至上主義の人に・・・

じゃあ、君の言うリアルな作品ってなに?

って聞いたとき

「アニメのアキラとかデスノートとか松本憲生氏の作画みたいなリアルなもの」

とか言われると

おじさん、マジで _| ̄|○ な状態になっちゃいます。


アキラやデスノートや松本憲生氏の作画が、どれほどデフォルメ(誇張)されてるか分からんのかと・・・



つーか、マジで

「日本のアニメはお金が無いからやってないけど、実写のトレースさえやれば誰でも良い動きのアニメが作れる」

って、本気で信じ込んでる人が、今でもけっこういるのがなぁ・・・。







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良いアニメを作るコツ
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【アニメの映像には、すべて意味があるんだ】


すごい風が吹いている嵐の中、立っている人物がいるとしよう。

個人製作アニメを作っている素人さんや、若いアニメーターがそういうシーンを作画した場合、
ただ単純に、「すごい風が吹いている」→「髪の毛や服が激しく動く」と考えて、
どんな人物でも同じように動かしちゃうことが多いんだ。


え?


すごい風が吹いてたら、どんな人物でも髪の毛や服が風になびいて激しく動くだろうって?


うん。


確かに物理法則としては、その人物がどんな性格だろうが関係なく動くよね。

でも、アニメの映像としては、その人物の性格や状況により動きが違うんだ。



もし、その嵐の中に立っている人物が、恐怖でパニックになっているなら
髪の毛は乱れ、服の襟とかスカートとかを激しく動かさなくちゃいけない。


でも、もしその人物が、自分の命を犠牲にしても誰かを守ろうという確固たる決意をしているなら
髪の毛はどんな強風にも微動だにせず、服はどれほど汚れていようと
美しく気品さえ感じるような動きをさせなくちゃいけないんだ!



(みんな、次に宮崎アニメを見たとき、ちょっとヒロインの髪の毛に注目してみたら面白い発見をするかもしれないよ。
彼女たちの髪の毛って、みごとなまでにそのキャラの心理状態を表しているから。)




これは人物だけじゃなく、背景の動きも同じ。


たとえば、焚き火を囲んでふたりの人物が話をしているとしよう。

このとき、何か衝撃的な事実を知ってキャラが驚いたなら、焚き火の中の炭が崩れ
火の粉を舞い上がらせなきゃいけない。



また、「もうすぐ二人目の子供が生まれるんです」って言いながら、奥さんとかわいい娘が写った
幸せそうな家族写真を見せた死亡フラグ全開のキャラが、主人公の目の前で惨殺されたとしよう。

当然このあと、悲しむ主人公が写真を見つけたら、雨が降り始め
その水滴が写真について、まるで家族が泣いているように見えなきゃいけない。



さらに、ロリコン(でもある)ダメ親父とオタクをつっぱしる娘のところに
死んだ母親がお盆に霊魂となって帰ってきたとしよう。(←なぜそんなに具体的?!)

この場合、「はあ〜〜・・・、ここに帰るのも久しぶり」ってクラ○スやナ○シカっぽい声が響いたとたん
風など無いはずの室内で、花瓶の花が揺れなきゃいけない。




アニメにおける自然物の描写は、ただそこに風が吹いているからとか、火が燃えているからとかいうだけでなく、
キャラクターたちの心理描写のひとつとして描かないといけないんだ。




実写と違い、アニメはすべての映像に作者の想いが込められてると言えるんだ。




アニメーションってのは、物理法則に従って絵を動かしているんじゃない。


絵に命を吹き込んでいるんだ!



このことだけは、絶対忘れないでね!







番外編(2)
簡単カッコいいアニメを作るコツ《補足》へ


みんな、くれぐれもココが、ダメになる講座だってこと忘れないでね。


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